ヘイアウとは?ハワイ島で見られる様々なヘイアウとその見どころを徹底解説
目次
ビッグアイランドとしても知られるハワイ島
ハワイ諸島の中で最大の面積を誇り、その広さは約10,430平方キロメートルに及ぶハワイ島は、活発な火山活動によりその地形が絶えず変化し、訪れる人々にダイナミックな自然の美を提供します。
この島はハワイ州内で最も広い土地を有しながらも、人口は州全体のわずか13%に過ぎず、広大な自然がそのままの姿を保つ静かな天国としての地位を維持しています。
この低い人口密度は、訪問者にハワイ独自の文化と自然と調和した生活様式を直接体験する機会を提供し、多くの人々を魅了する一因となっています。
ハワイ島の魅力と主要都市
ハワイ島は、東西に位置する二つの主要都市、ヒロとカイルア・コナがあり、それぞれが国際空港の役割を果たし、観光客にとっての重要な入口となっています。
この島を効率的に探索するために、ヒロからカイルア・コナまでの約3時間の横断ドライブが好まれます。
しかし、島全体を巡るドライブは、ハワイの豊かな自然を体験するためには欠かせません。
西部では、海岸線に沿って豪華なリゾートが並び、東部ではハワイ火山国立公園が訪れる人々に火山の壮大な景色を提供しています。
島の北部は古代ハワイ王族の歴史を探ることができる場所があり、南部にはアメリカで最南端の地点であるサウスポイントがあります。
ハワイ島は温暖な気候で知られていますが、地域によって気候が大きく異なるため、訪問先の天候を事前にチェックすることが推奨されます。
ハワイ島への行き方
ハワイ島への旅行には主に二つのルートがあります。
一つ目は、羽田空港からコナ国際空港へ直接向かう直行便を利用する方法です。
これには日本航空(JAL)などが運航しています。
二つ目は、他の国際空港からオアフ島のホノルルに一度立ち寄り、そこからハワイ島への国内便に乗り換える方法があります。
出発地と旅行の目的に応じて、これらのオプションから選択することが可能です。
ハワイ島内の空港から市街地へは、車で約15分から20分とアクセスが便利です。
しかし、公共バスの運行本数は限られているため、ツアーへの参加やレンタカーの利用が推奨されます
ハワイ島の魅力
ハワイのガイド本やポケットブックでは、リゾートで人気のオアフ島を中心としたハワイ観光が紹介されているものが多いのが現状です。
そのため、私たちがハワイ島に特化した情報を得るのは、なかなか難しい事ではないでしょうか。
今回は、そんなハワイ島の知られざる魅力について、たっぷりとご紹介していきます!
手付かずの壮大な大自然
ハワイ島の大きな特徴は、驚くほど壮大な美しい自然が、手付かずのまま残されているという事です。
広大な土地はほとんど人の手が加えられていない自然で溢れており、それぞれが完璧とも言えるほど美しい景観を持っています。
今も活動し続ける活火山や、広い大地を囲む青く美しい海、雲に届きそうなほど高い山、熱帯植物が多く生息する雨林など、大自然のありのままの姿を見ることができます。
リゾート地独特の人混みが苦手な方や、日常の喧騒から離れて癒されたい方に、特におすすめしたい島です。
迫力満点の火山
火山により創造されたハワイの島々ですが、中でも特に活火山が多く存在するハワイ島では、その迫力ある火山活動をツアーやドライブで見学することができます。
地球上で最も大きい火山や、ハワイで最も活発な火山、ハワイ最高峰の火山など、様々な火山を見ることができるとして人気です。
溶岩流やマグマ、火口を近くで見るのは圧巻の光景で、その気迫に圧倒されること間違いなしですよ。
また、ハワイに訪れたことのない人でも、キラウエア火山という名を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
その有名な活火山もハワイ島の世界遺産であるハワイ火山国立公園に位置しており、大変見所のあるスポットとなっています。
美しいビーチ
ハワイ島は、美しい海とビーチも魅力的です。
海は透き通った海水で、色とりどりの珊瑚礁や熱帯魚、野生のイルカなどが生息しています。
そのため、シュノーケリングやダイビングなど、海中や海底を観察するアクティビティが大人気です。
他にも、ハワイでは幸せの象徴とされるウミガメや、アザラシをビーチで見かけるチャンスが多くあるかもしれません。
それほどハワイ島の海岸や海には人の手が加わっておらず、生き物が暮らしやすい環境が整っていることがわかりますね。
また、火山からできた黒砂や緑砂の砂浜があるビーチが見られるのもハワイ島ならではの魅力です。
なお、西部には高級ビーチリゾートも開発されているので、きちんと整備されたリゾート向けビーチを楽しむこともできますよ。
ショッピングやグルメもおすすめ
ハワイ島には多くのスーパーマーケット、ショッピングセンター、ショッピングスポットが点在しており、買い物に困ることはありません。
もちろん絶対に欠かせない、ハワイアングルメを楽しむことのできる飲食店も多数あります。
免税店やブランド店が軒を連ねるショッピングセンターは、特にコナ・エリアに位置するリゾート施設内に建設されており、ホテルと隣接していることが多いためアクセスも便利です。
また、ハワイ島最大の町ヒロでは、ローカルフード、スイーツを気軽に楽しめるお店や、地元の農家により催されるマーケット(ファーマーズ•マーケット)も人気です。
各国から観光客が訪れるので、ハワイ料理、ポリネシア料理はもちろん、ボリューム満点のアメリカ料理や、その他ベジタリアンメニューを取り揃えた飲食店も多数存在しています。
日本人に馴染みの深いロコモコやポケ丼(マグロなどの刺身を乗せた丼)も、各地で味わうことができます。
ハワイ島滞在中は、ぜひショッピングとグルメも楽しんでみてくださいね。
文化や歴史を学ぼう
ハワイ島は、ハワイでは最も新しく誕生した島です。
しかし、先住民であるポリネシアの人々が初めて住み始めた島であることから、ハワイの文明はこのハワイ島から切り拓かれてきたと言われています。
ハワイを初めて統一したとされる初代カメハメハ大王ももちろん、ハワイ島で生まれ育ちました。
そのため、ハワイ島には大王や古代の王族達が利用していた土地や住居を構えていた場所が多く、未だにそれらは聖地として崇められています。
また、古代ハワイではハワイ神話に基づき、様々な神が存在すると信じられてきました。
ハワイ島にある火山や滝には女神が住むと言い伝えられており、他にも4大神として豊穣、戦い、海、生命の神が有名です。
さらに、ハワイ島では洞穴住居や先住民が彫った岩面彫刻(ペトログリフ)が多く確認されており、先住民と古代王族の面影を色濃く残すスポットが満載です。
すっかりアメリカの文化が浸透している現代ハワイですが、ハワイ島ではハワイのルーツである先住民の歴史と文化に触れることのできるスポットが集合しています。
ハワイ島に滞在することは、ハワイをより深く知るきっかけにもなることでしょう。
ヘイアウとは
ヘイアウと呼ばれる、古代ハワイの遺跡をご存じでしょうか。
ヘイアウとは、多神教であったハワイ先住民の信仰する様々な神を祀り、祈祷や儀式を行う聖域として古代に建設された土地のことです。
神殿や、寺院と呼ぶこともあります。
宗教的な要素が強く、それぞれの神によってタブー(決まりごとや禁忌など)が設けられていたとされています。
日本の神社や寺院のように、一般の人々が参拝に行くような雰囲気ではなく、より荘厳かつ王族との繋がりが深い場所でした。
1800年代には廃止されていったものの、ハワイ島には、今もなお150か所以上のヘイアウ跡地が確認されています。
古代ハワイの遺産に触れることができる場所として、ぜひ訪れてみてほしいスポットです。
ハワイ島で見られるヘイアウ
それでは、ハワイ島内のヘイアウが見られるおすすめスポットをご紹介していきます。
プウコホラ・ヘイアウ
ハワイ島のヘイアウと言えば、こちらのプウコホラ・ヘイアウが最も有名です。
海を望む丘の上に造られ、クジラが見えることもあるため、別名クジラの丘とも呼ばれています。
プウコホラ・ヘイアウは、ハワイ島最大の大きさで、当時のままの形が残された貴重なヘイアウです。
見どころ
プウコホラ・ヘイアウは、ハワイ統治前のカメハメハ1世が当時、ライバルに打ち勝ちハワイ諸島統治へと前進する先駆けとして、戦いの神を祀ったとされる神殿です。
このヘイアウは、預言者からの神託(神のお告げ)に従って建造が進められ、資材にはハワイ北部のカパアウという町付近にある、ポロル渓谷の岩が使われています。
カパアウはカメハメハ1世が生誕した町と言われており、ポロル渓谷は神のパワーが宿る聖地と言い伝えられています。
カメハメハ1世の、ハワイ統治・統一への強い野望が込められたこの場所に降り立つと、大王のみなぎるようなパワーを、今でも感じ取ることができるかもしれません。
現在プウコホラ・ヘイアウは国立歴史公園のメインスポットとなっており、丘の頂上への登山道も整備されています。
周囲の海を見渡す景観を楽しめ、資料館でヘイアウを中心とした古代の歴史を学ぶこともできるので、観光にもおすすめです。
アクセス
コナ方面からのアクセスが、より近く便利です。
国際空港または、カイルア・コナから19号線道路で北方へ30~40分ほど車を走らせた所にあります。
アフエナ・ヘイアウ
カイルア湾上にあるアフエナ•ヘイアウは、豊穣(農耕)と平和の神が祀られている神殿です。
カメハメハ大王1世が大王の座を退いた後、死去するまでの晩年を過ごした住居地としても知られています。
現在見られるのは、ヘイアウが3分の2程の大きさに復元されたものです。
見どころ
このヘイアウの最も大きな建物であるハレ•マナは、かつて祈祷所、儀式所や会議所として利用されていました。
また、ハレ•パフと呼ばれる小屋には儀式に用いる太鼓(パフ)が保管されており、建物の前には神託に利用された白い塔、アヌウがあります。
いずれもアフエナ•ヘイアウのメインスポットですが、ハレ•マナやハレ•パフの建物内に人が入ることは許可されていません。
それほど神聖な意味の強い聖域として、現在でも大切に扱われているのです。
カイルア湾に浮かぶアフエナ•ヘイアウの景観はとても静粛で神秘的なので、見ているだけでも心が研ぎ澄まされることでしょう。
アクセス
コートヤード•キング・カメハメハ・コナ・ビーチ・ホテルの敷地内に建てられており、コナ国際空港から車で19号道路を15分程度、カイルア•コナから徒歩数分の場所です。
カラレア・ヘイアウ
ハワイ島及びアメリカ最南端のサウスポイントにも、カラレア・ヘイアウというヘイアウが存在します。
このヘイアウは、古代ハワイアンの人々が豊漁を願い、漁の神を祀った場所です。
見どころ
ポリネシア人がたどり着いたハワイ島で最初の地として有名な、カ・ラエ岬の絶海を横目に、黒岩で岩積みされたヘイアウがあります。
神聖な土地として今も守られており、ヘイアウ自体に容易に触れるのはご法度とされています。
ハワイの歴史が始まった地に相応しく、神々しいほどの大絶景を拝める聖地です。
アクセス
コナ、ヒロともに国際空港や市街地から2時間ほどかけて島の南方へ進み、サウスポイント・ロードを通って向かいます。
ハワイ島最南端にあるため、ひたすら車を走らせるドライブの目的地として訪れるのもおすすめです。
ハパイアリイ・へイアウ
ハパイアリイ・へイアウ は非常に古いヘイアウで、1411年から1465年の間に造られたとされています。
現在のヘイアウは、近代技術を用いて2007年に復元されたものです。
全長は50m近くあり、周囲は海水に囲まれています。
見どころ
ハパイアリイ•ヘイアウは、祈りの地として利用されていた、日本で言う寺院のような場所でした。
このヘイアウの名にある、"アリイ"とは階級のことで、王族を意味します。
主として栄転を祈る地であったと同時に、王族の女性はこの地で出産することで、神からマナ(神のパワー)を子供達に与えてもらっていた、という伝説もあります。
そのため、この地に訪れ祈ることであなたも神秘的なパワーを感じ取ることができるかもしれません。
また、ハパイアリイ•ヘイアウの周辺にはリゾート向けのビーチパークもあるので、気軽に立ち寄れるヘイアウとしてもおすすめです。
アクセス
カイルア・コナとコナ国際空港から車で約15分から20分の距離に位置するエリアは、訪れる人々に多彩な魅力を提供します。
この地域は、かつてアウトリガー・ケアウホウ・ビーチリゾートホテルがあった場所に近く、2021年の情報では閉館後に解体されたとされています。
しかし、その歴史的な場所の近くには、美しいカハルウビーチパークがあり、地元の人々や観光客に愛され続けています。
ケエクー・へイアウ
ケエクー・へイアウは、16世紀頃に王族が造ったヘイアウです。
引き潮の時にだけ見られるという、岩面に描かれたペトログリフが有名なヘイアウで、その一帯には様々な言い伝えがあります。
見どころ
ケエクー•ヘイアウは、マウイ島から攻め込んできたマウイ王を処刑し、神への生贄としたと言われる場所です。
ペテログリフには、その記念として当時の状況が描かれたのではないかと解釈されています。
生贄と聞くと少し恐怖を感じてしまうかもしれませんが、王の軍犬であった2頭の白と黒の犬達が、未だに主人を探し彷徨っている、もしくは2匹の犬達がこの地を守っているという言い伝えもあります。
すべてはペトログリフから解明したもので諸説あるものの、他にはない一風変わった歴史と伝説を持つヘイアウです。
アクセス
ハパイアリイ•ヘイアウのすぐ近くにあるヘイアウなので、ハパイアリイ•ヘイアウ同様にカハルウビーチパーク方面を目指して下さい。
コナ国際空港及び、カイルア•コナから車で15分〜20分ほどです。
カプアノニ・へイアウ
アウトリガー•ケアウホウ•ビーチリゾートホテル跡地の敷地内にあるヘイアウで、1つの岩が置かれ祀られている小さな神殿です。
古代ハワイアンが豊作を祈ったとされる場所で、その一帯はかつて古代王族御用達の聖地でもありました。
見どころ
カプアノニ・へイアウがある敷地を所有していたホテルは閉館し解体されていますが、ヘイアウは大切に保存され続けています。
そして、今でもパワースポットとして密かに人気です。
近くには、王族の女性が利用した安産の泉と呼ばれる神殿や、ウミガメの頭の形を模したパワーストーンもあり、この一帯のほとんどがパワースポットと言っても過言ではありません。
アクセス
カイルア•コナ、コナ国際空港から車で15分〜20分でアクセスできます。
近くにカハルウビーチパークがあり、このヘイアウがあるのはリゾートホテル跡地の敷地内です。
おすすめのツアー
癒しのスポットやハワイ島屈指の聖地を巡る、おすすめツアーを2つご紹介します。
天然溶岩浴とヒーリングツアー
溶岩浴というものをご存知でしょうか。
溶岩浴とは、温かい天然溶岩の上に横になり、赤外線やマイナスイオンで体を温めるヒーリング効果抜群の温浴方法です。
こちらのツアーでは、ハワイ島の天然溶岩で温浴して、体いっぱいに聖なるパワーを感じることができます。
また、ハワイの伝統料理が提供されるランチや、日本語ガイドが付いているのも嬉しいですね。
その他にも、コーヒー農園や、パワーが宿る古代王族の神殿、神の道と呼ばれる美しい海を巡ります。
癒しと浄化に特化したツアーですので、日ごろ疲れた心や体を十分に癒すことができますよ。
プウコホラヘイアウ、ポロル渓谷ツアー
初代カメハメハ大王の聖地プウコホラヘイアウと、美しすぎるパワースポット、ポロル渓谷の両方を巡ることのできるツアーです。
聖地を通して、よりハワイ島の歴史を詳しく知りたい方や、パワースポットに行って癒されたい方におすすめです。
日本人ガイドも同行するので、説明も分かりやすく安心して楽しめますね。
まとめ
ディープなハワイを知る上で欠かせない、古代ハワイの歴史。
ハワイ島にはそんな歴史に触れることのできるヘイアウがたくさんあります。
初代カメハメハ大王や王族と縁の深いヘイアウを巡っていると、古代ハワイアンが築いてきた、かつてのハワイの姿を感じることができるかもしれません。
ハワイ島へ訪れたら、大自然を満喫するとともに、このような聖地とパワースポットにもぜひ足を運んでみて下さい。
古代のハワイも含め、より一層ハワイを好きになるに違いありません!